どれぐらいぶりか思い出せないが久しぶりに夜に寝て朝に起きた。
残念ながら夢ではなかったらしい。
健康な生活の始まりだが清々しさは皆無だ。
入院という現実に対する絶望、腕に繋がれた点滴、僅かに動いただけで全身を駆け巡る激痛、全く起こせない身体…
とりあえずこの腰の痛みをどうにかしてくれ!
寝返りがうてないので腰が辛く、夜中に何度も目覚め眠りが浅い。
動けないのがこんなに辛いとは…
内臓がどうなっているかわからない為、点滴のみで絶飲食。
だが点滴だけでも小便はしたくなる。
そう!最初に苦労したのが小便。
まず左腕で身体を僅かに浮かし、右手でベッドの縁を掴んで痛みをこらえ半身になり、ズボンをずらして我のいちもつを…
アカン!官能小説みたいやし、今更あの羞恥心を思い出したくはない。
トイレのくだりは全てはしょってしまおう…
10:00からいよいよ精密検査。ベッド事運ばれて改めてCT。
初めて打たれたトウエイザイは身体が温かくなり、入っていくのがわかる。
頭の中にかすかに浮かぶ死神の微笑み
唯々祈る!何事もありませんように…
結果、臓器に新たな傷はなかった。
怪我以降初めて通じた祈りにほっとしつつ、羅列された病状に絶句
左腎損傷、肺挫傷、多発肋骨・胸腰椎?突起骨折・・・
思わず口をついてでた一言
「やりすぎや・・・」
動けないながらこの日はベッドUP30度の許可がでた。
翌日起床6:00!
健康的過ぎる朝だが、やる事はないというか出来る事がない。そらそーだ動けないのだから…
ひたすらぼ~とまったり。
こんなに長い時間を無駄にするのはいつ以来か?
これはこれで楽しんでみよう
と、病室故マナーモードにしていた携帯電話の赤い点滅。
ヒッキーと富樫でシフトを作ってくれてほぼ店を稼働してくれるというではないか!
少しだけ心が軽くなる。
後はこの身体がいつまともに動くようになるのか?
この日は点滴がとれて、食べにくい事この上ないながらもご飯がOKになった。
22:00に寝るという素晴らしく健康的ではあるが、痛み故に何度も目覚めてしまう極めて不健康な浅い眠りを繰り返す日々。
2日毎にUPするベッド(30度→40度→60度→90度)と伸び続ける髭。
入院翌日から1週間移動距離0mという驚異の生活でしたが
ヒッキーと富樫のおかげで1番の不安を回避しつつ回復に専念できた。
色々考え、色々な体験をさせて貰った。
動けなかったからこそ、些細なことに深い想いを伴い、深く感じれたのかなと思います。
あまりに多いので箇条書きのみとなりますが
・・・
事故報告FBのたくさんのコメント
暇な時間の大半を潰してくれた携帯電話
入院当日に駆けつけて色々置いていってくれたハッシー
ひょっこりお見舞いに来てくれた上さんの衝撃話
ハーゲンダッツのアイスを差し入れしてくれた尚ねえ&ヨネダ
“御見舞”をくれた上にねだった“TVカード”を買ってくれた友広
12月限定31アイスを持ってきてくれたまゆぽん
WAZZ呑み会前に来てくれたナガイ
ほぼ毎日報告の連絡をくれたヒッキー&富樫
その報告に対する喜びと焦り
2日事のベッドUPの喜び
自力でトイレにいけない故の羞恥心
向かいのうるさいオヤジに感じれた優しさ
10日ぶりに頭を洗ってくれた看護師さん
10日ぶりに“立った”時の頭のクラクラ感とクララの気持ち
初めて動かした車椅子
生涯マックスに伸びた髭面に“濃い顔”と再認識
4年ぶりに剃った髭
約2週間ぶりのシャワーの心地よさ
こっそり外出して内緒の喫煙に伴う懐かしい罪悪感
退院時のワクワク感
・・・
多くの体験が本当に感謝でした(感謝と関係ないのも混じっとるがな)
親兄弟、親戚は勿論ですが、特にヒッキーと富樫には助けて貰いました。
そして退院直後にご来店頂いた皆さんにも物凄く助けて頂いたおかげで
どうにか笑って年を越せましたし、この仕事をしていてよかったとつくづく思いました。
“微笑みかけてきながら愛想をつかされる”という女の子によくされるいつもは凹む得意技(?)が幸いなことに死神にも効いたようです。
イイ男過ぎなくて良かったぜ!と今は笑って言えますが
たまたま電車がきていなかっただけで、あの時電車がきていたら確実に死んでいました…
拾った命というか生かされたというか生かせてもらえたという認識すらあります
何のために生きるって“楽しむため”という思いに変わりはありませんし
これからもおバカな事はしちゃうでしょう。
ただ2度とこのような馬鹿な事はしません。
まだ骨はくっついていないので“痛み”はありますし全快まではもう少し時間がかかります。
3月11日に精密検査をして異常がなければ全快となりますので
その時に改めて“BAR CLAYMOON1周年”をさせて頂こうと思いますので
その時は皆さんよろしくお願い致します。
迷惑をかけてしまったり、心配してくれた全ての人
本当にすみませんでした。そして一杯ありがとうございました。
自分にとってのこの大事件で
僕は少しだけ大人になった気がします・・・
2013 1 9 10:43
須藤 利浩