桜~その咲き方と散り様と~

全ての事柄はその状況によって適切な表現は変わってこよう。

今年も咲いた桜しかり・・・

 

大勢で見た桜は咲き乱れていた

共にはしゃぎ、乱れてくれているように

よくよく見れば桜の木の下は乱れ散る花びらと半狂乱な人の群れ…

 

2人で見た桜は咲き誇っていた

上手く伝えられない至福の時

そんな心うちを見透かしたように受けとめてくれる安心感

永遠を願う想いは散りゆく花びらと共に…

 

1人で見る桜は狂い咲く

誰が言ったか“桜の木には死体が埋まっている”

なるほどそうでもなければこの妖艶な魅力の説明はつくまい

思わず感じた恐怖に立ちすくむ

想いは目の前を舞い散る花びらの螺旋の中

手を伸ばせず掴めない代わりに自分の中の真実に気付く…

 

乱れ、誇り、狂う…

情緒が安定しない訳だ

躁鬱はげしく息苦しい

 

栄枯盛衰、咲いたものはやがて散る

どこから来たか心地よい春風に吹かれ

艶やかに散りゆく花びら

雪のように音もなく

僕の中に言葉にならない戦慄と切なさだけを残し…

 

“お花見”という言葉通りにあらゆる人々を集めるだけ集め

乱れるように、誇らしげに、狂ったように咲く桜

あらゆる人々の想いを映し

綺麗に華やか風にのって散りゆく花びらの行く末は

おびただしい残骸として誰の目にも触れる事なく映る事なく

ただ踏みつけられたそれは妖艶さの跡形もない

残された木はただ静かに佇むサクラとは名ばかりの名も無き木のように

 

~散華~憧れ…

無性に惹かれる事象故感じる

“散り様にこそ真実があるのではないか”という想いは

意味を持たない錯覚か、我が脳の混乱か…

春のせいかろくでもない事ばかり考える

やはり躁鬱はげしく息苦しい

 

全ての物事は表裏一体

光あれば陰、華やか故の無惨、妖艶故の恐怖、躁故鬱、咲けば散る…

この世の条理に想いを巡らしたところで答えがあろう筈もない

 

そろそろいいだろう

塞ぎ込む理由はない

怯える必要はない

桜は咲き

そして散った…

やがて僕は“まとも”に帰る

 

~咲くが故 散りてぞ見ゆる 表裏 浮世の条理 嘆いてみても~

 

2013 4 12 11:49

須藤 利浩

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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