早いもので新大阪・西中島エリアで働き始めて7年が経ちました
ご存知の方もいると思いますが僕はやたらと国家権力の人に声をかけられます(いわゆる職務質問ね)
彼または彼女らは決まって上から目線で且つ犯罪者扱いで話してかけてきて
“ポケットの中の物をだせ”と言ってくる訳ですが
(最早カツアゲですよ)
2015は始めて職質されなかった!!
とはいえまあ色々とある訳で・・・
ある日の帰り道
信号待ちをしていた僕の右側からきた自転車の上からただならぬ視線を感じた
警察だ!
失礼と言って差し障りのないほどに僕をジロジロと見ながら通り過ぎようとしている
10代の小僧でもあるまいし
“目をそらしたら負けだ”
などという感情はとっくの昔になくしているので視線をそらしたが気にはなる
何気に視線を戻すと通り過ぎながら首だけ振り返りまぁ~だジロジロと見てやがる
何度も視線をそらすのも不自然だし睨みつけて挑発するつもりもない
僕は生ゴミでも眺めるかのように興味なく見送った(実際のとこ全く興味はない)
おおよそ限界まで首をひねりジロジロと眺められ
“はぁ、また職質か”
と思った刹那彼は前を見て行き過ぎた
ホッとした僕の前を続けざまに通り過ぎた後続の2台の自転車の上には
数ヶ月前に 不当に自転車で追い掛け回してきたあの時の警察官がいた
“お前らか”
と心で呟き思わず見上げた空は唯々青かった
“何でこんな煩わしい想いをせんとあかんねん”
と僕の足取りが重たくなった
ある日の帰り道
その日はひどく寒かった
営業後店で堕ちてしまい寝起きでぼんやりしていた僕の目に飛び込んできた景色は
パチンコ屋の開店前の行列だった
この寒いのに大変やなぁ~
と、思っていると慌てて店員らしき男が走り寄って来て言った
“すみません!並んでますので!!”
いやいや見たらわかるから
なんや俺は列にも並べない無法者に見えるのか?
もしくは並ぶという習慣のない国籍の人に見えるのか?
なんだかなぁと思いながら無言で通り過ぎようとした僕に店員らしき男は
“最後尾はこちらです”
と若干慌てながら並ばせようとする
いやいや帰るから
心の中で言いながら彼の声を背中でやり過ごし
僕の足取りが少しだけ重くなった
ある日の帰り道
それは日曜日の昼下がり
いつもの如く営業後に店で堕ちてお腹を空かせた僕はJR尼崎駅で電車の遅れに遭遇した
メドのたたない“待ち”ほどバカバカしいものはない
とりあえず駅をでて王将にて餃子&ビールという極上タイムを経て
歩いて帰ろうとご機嫌でセブンイレブンにて缶ビール500mlをレジに持っていったのだが
店員は袋に入れる気配がない
訝しげな表情を浮かべる僕に負けじと訝しげな表情を返しながら
“袋いりますか?”
と尋ねてきた
おいおい日曜の真昼間にビールを裸で持たすのか?
そこは黙って袋に入れとけよ
どーかしてるぜと思いながら店をでて10秒袋から取り出したビールを開けた
確かにすぐに飲むけどよ、君の勘は正しかった訳だがその目に僕はどう映ったのだ
とどうでもいい事を思いつつ1口ビールを口に含んだその時
突然颯爽と現れた自転車とすれ違った
“マジか!可愛い!!”
ほんの一瞬の名も知りえぬ美女との邂逅
当然何かが起こる事はないが何となくバツが悪い
まあいいやとりあえず家までは一駅無駄に歩く故たっぷり30分はかかる
空になった空き缶を持ったままぼんやり歩いていると酒の自動販売機が
自販機でビール買うのも久々やなぁと1本所望していると
お囃子の様な祭りらしき音が近づいてくる
構わずビールを呑みながら歩いているとチビッコだんじりに遭遇した
子供の頃引かせてもらえなかったヤツだ
と、数人の母親らしきオバさん達が代わる代わる子供と僕の間に身体を割り込ませる
おいおい取って食うようにでも見えるのか煩わしい
ゲンナリしながら歩きつつもまだまだ家までの道のりは遠い
2本目のビールも空になったのでまたまたコンビニへ
3本目の500缶を開けて口をつけたところで二人乗りの自転車が追い抜いていった
すると何が珍しいのか後ろに座ったチビッコが視線を外さない
“15年もすれば君もできるから焦らなくていいんだよ”
自転車の速度で遠ざかるチビッコに
ニコリともせず心の中で呟いた
3本目の缶の重みがなくなり中身が心もとなくなってきたところで
いよいよあの門を曲がれば僕の家が見える
今日も仕事だから少し寝たら店に行かなければならない
家が近づくに連れて足取りが重くなる
と、その時ある考えが浮かぶ
“もう1本呑んじまうか”
起きた時にしんどいのは起きた時に考えればいい事だ
今をご機嫌にするには酒がいる!!
僕は家の前を通りすぎ
足取り軽くコンビニへ向かう
2016 2 25 6:58
須藤 利浩