小さな秋が見つか・・・

“ドクン、ドクン”

唯一無二ってなんだろう・・・

 

11月も終わろうかというのに全くといっていいほど秋の気配を感じれていない

先月、今月と本当に色々とキツく

心が折れるには充分な惨劇であった…

全ての物、事を苦痛に思い

やり切れなさを感じた僕は家に引きこもる訳にもいかず

店に引きこもる事にした

ヤミニトマドイヤミニモグリヤミニヤムヲエズヤミニシズム…

 

“ドクン、ドクン”

唯一無二ってなんだ・・・

 

秋を感じさせないある夜の事

その日は月が綺麗だという

引きこもった僕は月を見る代わりに夜空に想いを馳せてみる

そこには一切解決の糸口が無い事は解っていたが

何かしらを探してみたくなった

 

“ドクン、ドクン”

唯一無二って・・・

 

ポラリス(こぐま座α星)現在の北極星

天の北極に位置し不変に思えるこの二等星も約25,000年周期という気の遠くなりそうな時間の中で

春分点歳差のために、何千年か毎に別の星に移り変わるという

紀元前1100年頃コカブ(こぐま座β星)  ・西暦2100年頃ポラリス・西暦4100年頃エライ(ケフェウス座γ星)・西暦5900年頃アルフェルク(ケフェウス座β星)・・・

という事はカシオペアの“W”の存在意義はなくなるのだろうか

北斗七星の柄杓で救った星屑は夢にも希望にもなりはしない

シリウスの明るさが煩わしい

リゲルの青が進めならベテルギウスの赤は止まれというのなら曖昧な黄色は太陽か

昼に迷い夜は混乱、そして心は錯乱する

 

“ドクン、ドクン”

唯一無二・・・

 

自分にとっての答

それは得てして自分の中に在るものであり自分の中にしか無いもの

その考えに至った時、急速に答へと近づく

何光年・何キロ・何メートル・何センチ・何ミリ・何ミクロ・・・

己の意識に関係なく、皆それぞれ個々の中で

自分だけの動きを刻む唯一無二・・・

 

心臓の鼓動

“ドクン、ドクン”

 

我が心うちに求めたのは広大な夜空に最も輝く一等星の明るさじゃなく

はくちょう座X-1の様な漆黒の闇を僅かばかり心の片隅に

その闇が絶望を覆い尽くしてくれるなら

失望を感じる事なく希望を差し出そう

喜びも愛情もないのなら

裏に潜む悲しみも憎悪も生まれない

音も光もない中で

焦りも不安も闇の中

生きながらに死ぬのか

死んだように生きるのか

馬鹿馬鹿しい考えが止まらない

堕ちているのか

否、闇に位置という概念はない

何も考える必要はない

あらゆる物が闇に帰すのなら

抗う事なく沈み込んで唯々心臓の鼓動を聞いていよう

 

“ドクン、ドクン、ドク・・・”

 

いつの間にか闇は消えていた

そもそもそんな物があったのかさえ定かではない

僕の全てを支配していたようなあんなに大きく聞こえた気がした心臓の鼓動も聞こえない

冬の渇いた空気にさらされて…

“渇いた心の…”

「いやいや、もういいって」

苦笑いと共に思わず呟いて思い出した

秋を感じていないぞ

間に合うかな?

まぁそんな事は関係ない

とりあえず“小さい秋”を探してみよう

北風に吹かれ首をすくめてそんな事をぼんやり考えながら家路をたどる冬の朝

 

“ドクン・ドクン・ドクン・ドクン・・・”

 

2013 11 28 12:52

須藤 利浩