8月15日。
今年も自分なりの“想い”を持って靖国神社へ行ってきた・・・
暑い!8月の太陽に容赦なく照りつけられ、音もなく流れ続ける汗を拭う。
お決まりの堅苦しい演説の内容には同意しつつも
形式ばった“形”に僅かばかりの違和感と煩わしさを覚える。
絶え間なく耳に響く蝉の慟哭は脳まで届く事はなく
生涯最高ともいえる行列の最後尾に並び、そう遠くない筈の古えに想いを馳せる。
体験の裏付けのない“想い”は宙を舞い虚しく太陽に溶けるのだろうか…
拝殿の前で、2礼2拍手1礼で参る。
清らかな気持ちではあるが、かけるべき言葉は見つからない。
ありがとうなのか?すみませんなのか?
戸惑いと共に“想い”はやはり宙を舞う…
遊就館へ入る。
直筆の遺書の整然でいて凛とした文字に魅せられ
様々な感情に“想い”が揺れる。
驚愕・羞恥・憤怒・尊敬・悲哀・・・
“死”に対して文字通り、決死の覚悟かと思っていたが
安らかでいて清らかに“死”を受け入れているように見える
恐らく自分なんかが一生到達出来ない境地…
心を鷲掴みにされたような苦しさを覚え、今にも溢れそうな涙に気付く。
自分に涙を流す資格があるのだろうか?
意味のない自問自答。
何もする事が出来ない無力感と何かをしなければという使命感が交錯し
感情に潰されそうになりながらやっぱり行き場を失う“想い”は重い…
“想い”は表現方法に迷い、行き場に迷い、在り方に迷う
ただ、自分の中では迷いながらもブレることはない…
夏の暑さに溶ける事なく、
秋の辛気臭さに犯される事なく、
冬の寒さに凍えることなく、
春の陽気に浮かれることなく…
俺はまた来年の今日この日、この“想い”を持ってここに来る!!
そしてやはり“想い”は迷うだろう。
それでいいんだ。
大事なのは感じること!!
それについてブレる事はないのだから・・・
2012 8 29 2:47
須藤 利浩