解った。解ってる!もう少しだけ待ってくれ!どうせすぐ…そこに行く事になる。狂気の淵・・・
今年も桜は咲き誇りました。
色々な所で目にした
物凄く綺麗な皆さんなりの“お花見ポイント”での楽しそうな写真。
色々な所で耳にした
“凄い綺麗”や“日本人でよかった”という前向きな言葉。
自分も同様に桜の下で酒を呑み、同様に“幸せ”を感じ“前向き”な想いに包まれた。
例年通りのいい春だった・・・
ん?デジャ…ヴ…なのか?見た事ある様な景色に、感じた事のある感情…
~流されそうな感情に思わず口にした酒は~
なぜだろう?思うほどに疑惑は深まり、恐れていた事を思い出し乱れた感情は抜け落ちて
消える事無くむしろ妖艶に騒ぎ出すもう一人の自分が呟く
…サ・ク・ラ…
覆いかぶさる戸惑いは恐怖。忘れるためにまた…
~いかほどかの酒が身体に入った~
僕には聞こえない遠い呟き…
“生”を授かれなかった泣き声は意味を持たない意味を持ち、すべての理由が意味を失う
一陣の風に桜の花びらが揺らぐ
散ってしまった花びらは何枚か…
“ごめんね”
遠い声に耳を塞げず、むき出しの心をうつ迷い。
~あおる酒は加速度を増す~
いちいち離れる精神と肉体…
流れた涙は巻き起こった風に吹雪となり、花びらにさらわれた。
乾いた高笑いだけが脳に響き、今散った花びらを!!
もう戻らないあの日の僕の感情は?
たかが“花”はされど“花”
咲くために散るの?散るために咲くの?
遠のく意識、奪われ過ぎる心は桜と共に散らそうか…
狂った景色と狂った意識
狂気に身をまかせ酒に溺れて行き場を失った心は…
~呑んでるのか呑まれてるのか~
桜の花びらに包まれた出来そこないの狂気は
屍と化した僕の心
誰の目にも止まる事なく、映る事もなく
無残に散った花びらで
希望も憂いも切なさも
跡形もなく埋めてくれ!
解った。解ってる!ここに来たいんだろ…いいよ…抱き合って、どこまでも堕ちよう。狂気の底・・・
2012 5 7 20:38
須藤 利浩