この数日店の扉を開く音があまり鳴らない。
今に始まった事でもなく焦っても仕方ないとは思いつつ
原因を究明して検証しないことには進歩はないなと少し考えてみたが
何のことはないすぐに納得してしまった。
世間は“バレンタインデー”という。
自分が1年でXmasと並び最も不得手な日としているのだから扉が開かないのも当然だ。
不得手なものは仕方あるまい。
今更騒ぎ立てる程の事でもない“仕方あるまい”としか言い様がない。
不得手を得手に変えるには大層な“努力”という労力を必要とするのは必然であるが
どういう“努力”を労すればいいのか分からないなら諦める他ない。
この仕事を初めて両手では数え切れない年数がたった。
当初こそ何かを“貰える”であるとか“言われる”という期待こそなかったが何かしらお店は賑わうのではなかろうか?
という淡い期待もないではなかったにせよ、繰り返し現実を重ねるにつけ
“店”というより“我が”の問題であり
店が暇になるという問題ははあるにせよ、2日程ゆっくりさせてもらえる期間と思うと何も感じなくなったのだから仕様があるまい。
そもそも不得手なままで放ったらかしながらも、いざとなってジタバタするのも格好よろしいものでもないし
“誰か来てくれ”なんて神頼みも、理不尽極まりないムシのいい話と言わざるを得ないであろう。
暇とはいえ何かとやる事があるのが“店舗”ではあるが
暇故少しのんびりできるのもまた店舗である。
いつも通り珈琲でも煎れてくつろぎつつ、いつも通りアイスクリームを食す。
いつもよりも長い“暇”を持て余しつつ、いつも通りアイスの補充について考える。
いつも通りじゃいかんなあといつも通り考えつつ、いつも通り何も想い浮かばない。
いつも通りな暇営業にいつも通りゲンナリしつつ・・・
いや、いつも通りじゃないな。
いつも以上だ。
このままじゃ凹んだ日を1日増やすだけで今日が終わってしまう。
卑屈になるつもりは毛頭ない故、このまま終わるのも面白くなかろうと
とりあえず良かった事を考えてみる事にする。
先週までの事ではあるが
去年の事もあり構えて警戒していた程、この2月は惨劇ではなかった。
物足りなくはあるものの、この1年の営業は無駄ではなかったという事であろう。
ありがたい話である。
そして、ありがたくない話ではあるがバイトを確保できないばかりに
数えるのも面倒臭く数えてはいないが、ずいぶん長い間休みがとれていない。
身体はどうとでもなるが元来肌が弱い上に“手”に休みを与えれないので
限界にほど近く途方に暮れかけていた我が手の荒れ具合は随分と良くなった。
ありがたい話である。
“ありがたい話”が2つもあれば自然と笑みもこぼれよう。
ふむ、なかなか良い心地だ。
こんな日は大好きな我が店を嫌いにならぬよう
早々にご機嫌な“笑み”と退散するに限りますな。
♪ほっほっほ♪
※とはいえ来て頂いたお客様ありがとうございました。
2013 2 15 5:32
須藤 利浩