突然ですが “?” という言語はたくさんありますね。
特にカタカナというやつはハイカラぶってか“和製英語”なるどっちやねん!とツッこみたくなるようなコウモリさん言語まである始末(どっちて日本語ですよ念のため)
調べれば分かるかもしれませんが、そこはあえて疑問は疑問のままに・・・
誰でも知ってるであろう言葉に“ロシアンルーレット”というものがあります。
あれは文字通りロシアのルーレットなのか?
白黒ハッキリつける方法というふうにとっていいのだろうか?
という事は日本でいうところの“ちょっとハードボイルドなじゃんけん”という事だろうか?
・・・
とある酒場で大男がウォッカをあおっていた。
息子を自由に育てたいと願う男に妻の言う進学校に息子を入れるという選択は理解し難かった。
男の振り回す「ストリチナヤ」の500mlの瓶は抵抗なくなすがままに宙を泳いでいたが彼の脳もまた同じように揺れていた。
軽い目眩を感じカウンターに腰かけた男の目にとびこんできたのは青い目のナターシャだった。
男の胸に戦慄が走りその刹那脳が下した結論はそう・・・一目惚れ・・・
“今宵は全てを忘れて俺と呑んでくれないか?”
やっとの想いで絞り出したセリフは3文芝居の3流役者のそれだったが、かえって男の一途な思いを表していた。
ナターシャはその優しい微笑みを絶やすことなく、ただ少し困惑気味に言った
“約束をすっぽかされたようだわ。私はこういうキッカケを待っていたのかもしれないわね”
“それじゃあ!!”
“でも・・・ごめんなさい。もう少し待っていたい気分なの”
“分かったじゃあ勝負しようじゃないか!俺が勝ったらその約束は忘れて今から俺たちの人生を共に歩もうじゃないか!その代わり君が勝ったら諦めるよ”
と言うや男は拳銃を取り出し1発だけ弾を込めリボルバーを回し撃鉄を引き自らのこめかみに当てた・・・
“待ってあなた!奥さんと子供は・・・”
動転した人間の発する言葉はいつも的確とは限らない。
ナターシャにとって、その男に妻子がいようがいまいが関係ない
「私が勝った場合、あなたが諦めるのは分かる。だって死んでるんだもん!!
あなたが勝った場合、私の亡骸をどうしたいというのよぉ!!」
というのがナターシャの偽らざる思いだろう・・・
引金をひいた男の頭は爆音と共に一瞬はじけ元に戻りながら前へと突っ伏した。
騒然とする酒場。やがて警察が・・・
次の朝、学校へ向かう通学路で元気のないラスコーリニコフを見かけたウラジミールが話しかける。
“どうしたんだいラーニャ?元気ないじゃないか?”
“昨日パパがロシアンルーレットで負けたんだ・・・”
・・・
僕はロシアについてはよく知らないのでナターシャが捕まるのかどうかは分からない。
ただ、毎晩繰り返されるロシアンルーレットによって増え続ける
ロシア全土にいるであろう全てのラスコーリニコフに同情するぜBABY!!
2012 1 18 19:34
須藤 利浩