不得手な日

この数日店の扉を開く音があまり鳴らない。

今に始まった事でもなく焦っても仕方ないとは思いつつ

原因を究明して検証しないことには進歩はないなと少し考えてみたが

何のことはないすぐに納得してしまった。

世間は“バレンタインデー”という。

自分が1年でXmasと並び最も不得手な日としているのだから扉が開かないのも当然だ。

不得手なものは仕方あるまい。

今更騒ぎ立てる程の事でもない“仕方あるまい”としか言い様がない。

不得手を得手に変えるには大層な“努力”という労力を必要とするのは必然であるが

どういう“努力”を労すればいいのか分からないなら諦める他ない。

 

この仕事を初めて両手では数え切れない年数がたった。

当初こそ何かを“貰える”であるとか“言われる”という期待こそなかったが何かしらお店は賑わうのではなかろうか?

という淡い期待もないではなかったにせよ、繰り返し現実を重ねるにつけ

“店”というより“我が”の問題であり

店が暇になるという問題ははあるにせよ、2日程ゆっくりさせてもらえる期間と思うと何も感じなくなったのだから仕様があるまい。

そもそも不得手なままで放ったらかしながらも、いざとなってジタバタするのも格好よろしいものでもないし

“誰か来てくれ”なんて神頼みも、理不尽極まりないムシのいい話と言わざるを得ないであろう。

 

暇とはいえ何かとやる事があるのが“店舗”ではあるが

暇故少しのんびりできるのもまた店舗である。

いつも通り珈琲でも煎れてくつろぎつつ、いつも通りアイスクリームを食す。

いつもよりも長い“暇”を持て余しつつ、いつも通りアイスの補充について考える。

いつも通りじゃいかんなあといつも通り考えつつ、いつも通り何も想い浮かばない。

いつも通りな暇営業にいつも通りゲンナリしつつ・・・

 

いや、いつも通りじゃないな。

いつも以上だ。

このままじゃ凹んだ日を1日増やすだけで今日が終わってしまう。

卑屈になるつもりは毛頭ない故、このまま終わるのも面白くなかろうと

とりあえず良かった事を考えてみる事にする。

 

先週までの事ではあるが

去年の事もあり構えて警戒していた程、この2月は惨劇ではなかった。

物足りなくはあるものの、この1年の営業は無駄ではなかったという事であろう。

ありがたい話である。

そして、ありがたくない話ではあるがバイトを確保できないばかりに

数えるのも面倒臭く数えてはいないが、ずいぶん長い間休みがとれていない。

身体はどうとでもなるが元来肌が弱い上に“手”に休みを与えれないので

限界にほど近く途方に暮れかけていた我が手の荒れ具合は随分と良くなった。

ありがたい話である。

“ありがたい話”が2つもあれば自然と笑みもこぼれよう。

ふむ、なかなか良い心地だ。

こんな日は大好きな我が店を嫌いにならぬよう

早々にご機嫌な“笑み”と退散するに限りますな。

♪ほっほっほ♪

※とはいえ来て頂いたお客様ありがとうございました。

 

2013 2 15 5:32

須藤 利浩

 

大福

個人的な話ですが、12月後半(退院時)から家で晩御飯を済ませてから出勤するようになりました。

ただ、訳あって例外はありますが月曜日は“西中ご飯の日”となっております。

本日2月4日は月曜日。

“今日はどこに行こうかな”と浮かれて家を一歩出た僕の脳にある指令がとびました

・・・大福食べたい・・・

10代の頃に好きで読みあさっていた「椎名誠」のエッセーでも読んだことがあるのですが

“大福”というものは全くもって日常に必要ない食べ物なのですが、突発的に脳から指令がくるんですね

昔は悶々としつつ、どうにか“大福”を手に入れた時はもう既に欲していないという結末になるものだったのですが

今は日常の中に“コンビニエンスストア”が溢れてすぐに手に入るのでいいやら悪いやら…

 

そもそも“大福”てなんだ?

大きい“福”…そうか!

“福”すなわち“幸せ”を欲している時に脳から指令がくだるのか!

「幸せになりなさい」と!!

そういえば正月に寝込んでた時にも“大福指令”はきていた。

大福食べて幸せになろう!

ビバ!大福!♪

いや待て…

和菓子ダメな人に“大福指令”がくるとは思えないな。

そもそも自分は今、幸せ絶頂じゃないか!
(ホントかよ!)

幸せが溢れすぎて、溢れた幸せを“大福”に移してるのかもしれないな。

「ふっふっふ…」

いやいや“決め”に入ろうとしてるが

だから和菓子ダメな人よ!!!

 

~~~

 

どーでもいい事を延々と考えつつ、今思ってる事。

“大福指令”の為にコンビニに寄り道して30秒差で電車が行っちゃいました。

お店到着が15分遅れ、少しだけお腹の空き具合がおさまったのもあり

結局どこにもご飯は行けませんでした。

オープンから2時間たった今

お腹すいたぁ~!!!

なんだこの“ひもじさ”は全然幸せじゃないじゃないか・・・

 

皆さん“大福指令”にはくれぐれもお気をつけ下さい。

必ず“幸せ”になれるとは限りません。

そして僕は“大福”は特別好きな食べ物ではないので

差し入れを考えてくれる優しい方は今まで通り“アイスクリーム”でよろしく♪

 

2013 2 4 22:54

須藤 利浩

 

 

 

 

 

死神に見捨てられ拾った命を大切に~入院~

どれぐらいぶりか思い出せないが久しぶりに夜に寝て朝に起きた。

残念ながら夢ではなかったらしい。

健康な生活の始まりだが清々しさは皆無だ。

入院という現実に対する絶望、腕に繋がれた点滴、僅かに動いただけで全身を駆け巡る激痛、全く起こせない身体…

とりあえずこの腰の痛みをどうにかしてくれ!

寝返りがうてないので腰が辛く、夜中に何度も目覚め眠りが浅い。

動けないのがこんなに辛いとは…

 

内臓がどうなっているかわからない為、点滴のみで絶飲食。

だが点滴だけでも小便はしたくなる。

そう!最初に苦労したのが小便。

まず左腕で身体を僅かに浮かし、右手でベッドの縁を掴んで痛みをこらえ半身になり、ズボンをずらして我のいちもつを…

アカン!官能小説みたいやし、今更あの羞恥心を思い出したくはない。

トイレのくだりは全てはしょってしまおう…

 

10:00からいよいよ精密検査。ベッド事運ばれて改めてCT。

初めて打たれたトウエイザイは身体が温かくなり、入っていくのがわかる。

頭の中にかすかに浮かぶ死神の微笑み

唯々祈る!何事もありませんように…

結果、臓器に新たな傷はなかった。

怪我以降初めて通じた祈りにほっとしつつ、羅列された病状に絶句
左腎損傷、肺挫傷、多発肋骨・胸腰椎?突起骨折・・・

思わず口をついてでた一言
「やりすぎや・・・」

動けないながらこの日はベッドUP30度の許可がでた。

 

翌日起床6:00!

健康的過ぎる朝だが、やる事はないというか出来る事がない。そらそーだ動けないのだから…

ひたすらぼ~とまったり。

こんなに長い時間を無駄にするのはいつ以来か?

これはこれで楽しんでみよう

と、病室故マナーモードにしていた携帯電話の赤い点滅。

ヒッキーと富樫でシフトを作ってくれてほぼ店を稼働してくれるというではないか!

少しだけ心が軽くなる。

後はこの身体がいつまともに動くようになるのか?

この日は点滴がとれて、食べにくい事この上ないながらもご飯がOKになった。

 

22:00に寝るという素晴らしく健康的ではあるが、痛み故に何度も目覚めてしまう極めて不健康な浅い眠りを繰り返す日々。

2日毎にUPするベッド(30度→40度→60度→90度)と伸び続ける髭。

入院翌日から1週間移動距離0mという驚異の生活でしたが

ヒッキーと富樫のおかげで1番の不安を回避しつつ回復に専念できた。

 

色々考え、色々な体験をさせて貰った。

動けなかったからこそ、些細なことに深い想いを伴い、深く感じれたのかなと思います。

あまりに多いので箇条書きのみとなりますが

・・・

事故報告FBのたくさんのコメント
暇な時間の大半を潰してくれた携帯電話
入院当日に駆けつけて色々置いていってくれたハッシー
ひょっこりお見舞いに来てくれた上さんの衝撃話
ハーゲンダッツのアイスを差し入れしてくれた尚ねえ&ヨネダ
“御見舞”をくれた上にねだった“TVカード”を買ってくれた友広
12月限定31アイスを持ってきてくれたまゆぽん
WAZZ呑み会前に来てくれたナガイ
ほぼ毎日報告の連絡をくれたヒッキー&富樫
その報告に対する喜びと焦り
2日事のベッドUPの喜び
自力でトイレにいけない故の羞恥心
向かいのうるさいオヤジに感じれた優しさ
10日ぶりに頭を洗ってくれた看護師さん
10日ぶりに“立った”時の頭のクラクラ感とクララの気持ち
初めて動かした車椅子
生涯マックスに伸びた髭面に“濃い顔”と再認識
4年ぶりに剃った髭
約2週間ぶりのシャワーの心地よさ
こっそり外出して内緒の喫煙に伴う懐かしい罪悪感
退院時のワクワク感

・・・

多くの体験が本当に感謝でした(感謝と関係ないのも混じっとるがな)

親兄弟、親戚は勿論ですが、特にヒッキーと富樫には助けて貰いました。

そして退院直後にご来店頂いた皆さんにも物凄く助けて頂いたおかげで

どうにか笑って年を越せましたし、この仕事をしていてよかったとつくづく思いました。

 

“微笑みかけてきながら愛想をつかされる”という女の子によくされるいつもは凹む得意技(?)が幸いなことに死神にも効いたようです。

イイ男過ぎなくて良かったぜ!と今は笑って言えますが

たまたま電車がきていなかっただけで、あの時電車がきていたら確実に死んでいました…

拾った命というか生かされたというか生かせてもらえたという認識すらあります

何のために生きるって“楽しむため”という思いに変わりはありませんし

これからもおバカな事はしちゃうでしょう。

ただ2度とこのような馬鹿な事はしません。

まだ骨はくっついていないので“痛み”はありますし全快まではもう少し時間がかかります。

3月11日に精密検査をして異常がなければ全快となりますので

その時に改めて“BAR CLAYMOON1周年”をさせて頂こうと思いますので

その時は皆さんよろしくお願い致します。

 

迷惑をかけてしまったり、心配してくれた全ての人

本当にすみませんでした。そして一杯ありがとうございました。

自分にとってのこの大事件で

僕は少しだけ大人になった気がします・・・

 

2013 1 9 10:43

須藤 利浩

 

 

死神に見捨てられ拾った命を大切に~事故~

“見た”というよりは“感じた”という方が近い気がする…

12月2日に僕を一瞬にして包み込んだ白い光。

優しさ・厳しさ・温かさ・冷たさ…あらゆる感情もなく身体は宙を舞った。

次の刹那、僕が感じたのは脇腹から背中にかけての尋常じゃない衝撃!

ほんの僅かだけ遅れて全てを呑み込んだ“痛み”は

「夢ならいいのに…」という切なる願いを一瞬にしてリアルへと引き戻した。

正気に戻りきれない頭でかすかに確実につぶやいた一言

「死神かよ…」

 

数ヶ月前から生活サイクルは狂っていた。

1日単位ではなくなり、全く寝ない日の次の日にある程度寝てなんとか次の日をやり過ごすような生活

2日単位の生活が続いていたのが、3日単位、4日単位と加速する狂気から目をそらし

体力に対する過信が“まあいっか”と思わせ疲れを蓄積させていたのだろう。

無茶をした体力の回復もままならないまま、酒に溺れほぼ寝る事なく営業を続けたある朝と昼の間

ノリでナイルパーチ富樫と阪神競馬場へ行く事になった僕の記憶は西宮北口から宝塚行きの電車の中で途絶えた。

破壊的な睡魔によって完全に堕ちてしまったのだ。

 

気がつくと駅のホームを歩いていた。

既にアルコールは感じないが“?”で覆われた頭を整理する。

“ここ”はどこだ?反対ホームの駅名を見るためにホームの際まで歩く

“宝塚南口”

寝過ごして慌てて降りたなんのゆかりもない駅、富樫はいない。

しんどすぎるし帰ろうかと何故か回れ右をしてしまった左足に地面はなかった…

ヤバいと思う間もなく転落する身体。

咄嗟に頭をかばい、身体をひねった脇腹から背中にかけてをレールで強打した!

息が出来ない!線路上の石の冷たさは思いの他残酷だ。

グズグズはしていられない。“死”が一瞬頭をよぎる。

線路脇の隙間にどうにか這い込んで、痛みをこらえ動けるだけの呼吸を取り戻す。

電車が来ないのを確かめ、線路に這い出てどうにか立ち上がって絶句。

高い…

ホームの高さは顔と胸の間。普段なら何てことない高さに絶望を感じ数秒途方に暮れたがこうしてはいられない。

足を掛けれるところを見つけどうにか転がり上がり、ホームの奥まで行って足を投げ出しへたりこんだ。

もう立つ気力は残っていない…

 

「大丈夫ですか?」と2、3人に声をかけられるが、声をだすのも億劫で唯々手で制す。

大丈夫ならこんなところにへたりこんで恥はさらすまいに…

そうこうしてるうちに駅員さんが駆け寄ってきた。

「大丈夫ですか?救急車呼びましょうか?」
「・・・」

“痛い”と“帰りたい”以外を考えられない。

早く帰って休まないと今日の営業が…

断っているうちに駅員さんが次々代わって偉そうな人になり

3人目だか4人目の駅員さんが優しくいった。

「今確認しましたが落ちた場所には何もありませんでした」
「こちらとしては責任は負えませんができる限りの事はさせて貰います」
「帰るにしても心配ですし、北口の駅長室で休みませんか」

甘えさせて貰う事にして、西宮北口の駅長室まで付き添って貰う。

ベッドに横になるのも痛すぎで一苦労。

10分、30分、1時間…

引く気配のない痛みに、ただ事じゃない事を自覚せざるをえない

やはり救急車を呼んで貰う事にする。

生涯初の車椅子にて救急車まで運んで貰い、生涯初の救急車に乗る。

どうにか痛みを我慢して横になったストレッチャーの上で走り出した救急車の中、まだリアリティーの薄いサイレンを耳にしながら

初めて電車が来なくてよかったという安堵感と

自分の身体がどうなっているのかという限りなく恐怖に覆われた不安を感じていた・・・

 

病院に到着。

まずはCTをとってもらい、続けてレントゲンをとる。

待つこと数分。

祈り続ける僕に先生が告げる。

「肋骨が3本折れてますね」

感情をあまり出さない先生の声は説得力に溢れていた。

想定内だ。そりゃそーだろうこの痛みだ!折れてない方がどうかしてるさ…

「それと深刻なのが…」

きた!!

真っ白なのか真っ黒なのか目の前の色が消える…

「腎臓から出血してますね。大量ではないので明日まで様子を見ないと何ともいえませんがとりあえず絶対安静なのでこのまま入院して下さい」

入院!店は!!周年!!!

絶望の中で話は続く

「あと、打撲の衝撃で肺に水が溜まってます。少し傷もついてるようですね。あっ背骨も少し折れてますね。まあこの辺は安静にしてれば治りますが…」

現実を受け止めきれないまま、気になるのは1点だけ!どうにか声を搾り出した。

「どれぐらいで退院できますか?」

先生の無感情な声に僅かに同情が入るのがわかる…

「このままなら早くて2週間ぐらいで退院出来るかもしれませんが、ただ…」

え…

「骨の奥の臓器が傷ついてるんで、他の臓器にも傷がある可能性があります。臓器はすぐに症状がでない事があるんで、もし肝臓やすい臓、十二指腸なんかにも傷があればすぐに手術って事になりますし…」
「いずれにせよ明日もう1度検査してみない事には何とも言えませんね」

一旦心をへし折られながらも祈りは続く…

 

まずは入院の手続きと実家に電話。

この歳にして、この手の電話はしたくなかったが自業自得だ…仕方あるまい。

後は今日の臨時休業のお知らせをFB&twitterにて…情けない。

明日は某店の10周年に行こうとしたデートのキャンセルを…終わってるな。

明日は“ヒッキーDAY”だからいいとして、明後日からの営業をどうするか?

ヒッキーと富樫にお願いしてみよう…

どうにか受け入れた現実でキャパオーバー気味になり、

痛みで全く働かない脳をフル回転させてやるべき事を上記4つの事に絞り込むが

寝たきりで触る携帯電話は思いの他体力の消耗が激しい…

 

思いついたするべき連絡は終わった。

もう脳は働かない、体力は残ってるが気力がない、とにかく疲れた

ゆっくりと睡魔がやってくるので身を委ねる事にしよう

薄れゆく意識の中で思い出した。

あの“白い光”は昔4年ローンで買った愛車“スープラ”を2年経ったある日

ガードレールにぶつけ大破させた時に見たような感じたような。

やっぱり死神か・・・

 

2013 1 8 11 10

須藤 利浩

 

2012総括

さて、2012も残り僅か。

仕事も終わりあとはのんびり過ごすのみとなりました。

自分のお店をオープンしてすぐに突入した年という事もあり新しい事に満ちていたぶん

“希望”も“絶望”も目茶苦茶あった訳で…

自分なりに必死に走った結果が年の瀬の事故という笑えない結果でしたが

それ故解った事も多かったのかなと前向きに捉えています。

 

大半が常識というか当たり前の知っていた事ですが

まずは“無理”と“無茶”は違うという事。

時期的にも流れ的にも無理をしないといけない事はある。

それをしないと前に進めなかったり、成長できないことも多くありますが無茶は駄目ですね。

“やり過ぎ”まではいいとしても“その後”はさらに乗っけるのではなく休まないと“次”に支障をきたすので

長い目でみるとマイナスの方が多かったりしますし、思い切って休むのは勇気がいるけど本当に大事だなと。

ノリで行き過ぎるのは言語道断。

呑むいじょう酔うのは仕方ないにしても、記憶がないと明確に反省も出来ない。

まあ、今更な当たり前の話を毎年課題にしてる進歩のなさに我ながら辟易としますがねぇ…

 

それと店舗を構えての接客業を選んだ訳で

基本は“待ち”であり人に来て頂いて初めて成り立つ業種なので“感謝”ですかね。

当たり前の事で、当然解っていたつもりではありましたが

“解る”のと“知ってる”のとは大きく違ってもくるし

まだまだ“つもり”の域をでていなかったのかもしれないなと感じました。

“感謝に際限はなく、限りなく続く感謝と真摯に向き合う事”をもっと掘り下げて考えていこう。

病院のベッドで寝たきりになりながらそんな事を考えていました。

 

今年は全てが手探りで、やってみないと解らない事も多かったのと

まだまだ未熟者で、感情に左右される事が多く迷ったりブレたりもしてしまったので

よかれと思ってした事が裏目ったり、焦って自爆ったり、つまらんプライドで自滅ったり…

失敗的な事も数ありましたが未だ志半ば道の途中。

次に生かせればそれは“糧”であり“失敗”では無い筈だぁ!!という事にして

このまま有耶無耶にするのではなく、2013の課題として持って行こうと思います。

 

2012は色々とありがとうございました。

きたるべき2013 BAR CLAYMOON 狂気の三日月は何を思い、どこへ向かうのか!

優しく見守って頂ければありがたいと思います。

それでは皆さん、2013もお店、個人共々よろしくお願い致します。

 

2012 12 31 10:13

須藤 利浩

対僕生娘宣言

1ヶ月ほど前のある休日、

相変わらず家に帰ることなく、寝ずに遊び呆けてお腹を空かせた僕は例によって無計画に呑み散らかす事にした。

我が店で1杯呑んだ後、考えるのはだいたい“Rim”なのだが空腹故“ブラリン”に行く事にした。

ここはご飯が美味しいダイニングバーで、仕事前にもちょこちょこ行くのだが

マスターがかなりクレイジーな“リアルジャイアン”なのでいいアイデアが貰えるかもしれない♪

いつも通りビールを2つ頼み“遊び方”を考える。

この日は確か“小鍋”を食ったような…まぁ何食べても美味いのではっきり覚えていない。

結局どうでもいい“魂”についての話をしただけで、結論は出ないまま
(出す気があるのかと問われても不明だが)

帰るタイミングで絶妙におかわりを聞かれ、断れない僕は予定+2杯のビールを呑んだ。

そして久々に“nishiya”に行く。

自分の中でちょっと落ち着いて軽く優しい酒が呑みたい時に最適のBARだ。
(落ち着いて軽く呑むっていう選択肢が稀有な僕ですが…)

が、見つけてしまった“ビッグピート”

昔、モルトウイスキーの試飲会で呑んだインパクトのあったヤツだ!

見つけたものは仕方あるまい、こいつはそれはもうストレートしかあるまい。

さらに1杯呑んで、寝てないせいか急速にアルコールがご機嫌に身体中を駆け巡るのが解る。

さて、ご機嫌オヤジというには格好良すぎる宏さんのBAR“ブリッジ”に行くつもりだったが死にそうだ…

とりあえず“Rim”で考えよう!

RimではAちゃんが1人呑んでいた。

「須藤さんこの間はすみません」

と謎に謝られる。

先日、うちの店で酔った事を言ってるらしいが、そんなもの日常茶飯事お互い様だぜ!

ただ、1杯奢ってくれるというので頂いちゃおう♪

体調を考え“照葉樹林”なるヤワな所謂抹茶ウーロンを舐めるように呑んでいたがそれは認められないらしい。

ならハードボイルドでいっちゃうぜ!ハードボイルドといえばバーボンだ!

どうせなら我が店にない酒がいい!とあるボトルに目が止まる。

「ヴァージン貰おかな。Aちゃんはもうちゃうやろうけどな」

酔った時のオヤジギャグは最悪だ!センスがないにも程がある。トークの天才の異名が泣くぜ!

するとAちゃん

「ヴァージンやし!!」
「はぁ、なんでそんな1秒で解る嘘つくの」
「須藤さんには!」

あ!!ホンマや!!

Aちゃんは時々“須藤さんは素敵やと思う”と言ってくれる。

自分も一緒に呑んでて面白いし、それなりに別嬪さんやしまぁ素敵な娘だとは思う。

が、A氏に女を感じた事は1度もないし、色恋な感情はこれっっっっぽっちもない。

それは完全にお互いにだ。

そしてこれは言うなれば“対僕生娘宣言”じゃないか!!

あっ!!

よくよく考えれば世の中の女の子の大半と僕は出会う事すらない訳で、
出会った娘にしても大半は興味がない訳で、
興味があってもうまくいかない事も多い訳で、
対僕ヴァージン下さいとは言えない訳で、
何よりそんなお願いはしたくない訳で・・・

なんてこった!

僕は何億人もの女の子にナチュラルに“対僕生娘宣言”されてるも同然やったんかぁ!!!

マジでか…

 

あっ!!

これは知ってるぞ!

これは体の隅々までアルコールが回りきって、脳が犯されて“あほう”になってるヤツや!!

こりゃいかん帰ろう。

と早々に正解にたどり着いたが、

その後、呑ませて貰い、貰ってばっかじゃ格好つかんって事で呑んで貰い軽いバーボン祭りと化し

這々の体で我が店CLAYMOONに帰り、まんま堕ちちゃいましたとさ。

 

そして寝てる時に“ブリッジ”の宏さんが呑みに誘いに来てくれたらしいが僕の記憶には全くございません・・・

.

2012 12 6 17:06

須藤 利浩

2004 11 22 が 2012 11 22 に動く!!

僕の記憶が確かならもう8年も前になるか

2004年11月22日。僕は特別な想いを持って働いていた。

BAR土偶に来て約4年。BARとしての“土偶”最後の夜…

 

前の店で“歩合制”という名の元に

「協力してあげるから大丈夫」という言葉を信じた結果、休みなく働いて得た給料は¥3,964だった…

途方に暮れていた僕を助けてくれたのが(有)松園のBAR土偶であり、それまでの我がの甘さを痛感させられ、伸びかけた鼻を折られ、バーテンダーとして成長させてもらったのも土偶だった。

何より一緒に働いていた木村さんの存在は大きかった。

自分という人間形成において多大な影響を受け、最も尊敬する人の1人となり、それは今でも変わらない。
(木村さんは自分と違い酒で失敗する事はなく、笑かすぐらい女にはモテますが)

「須藤はなんやかんや言いつつ結局何にも“自分に返せてない”やんけ」

と、当時オーナーに怒られた事があったが

この“自分に返す”という言葉は自分の人生の指針となり、今も僕の心の中に生きている。

 

木村さんの3店舗統括という昇格に伴い1人で店をまわす事になりそれなりに順調だったが

“道交法”の改正(酒気帯びの罰金が跳ね上がったヤツですね)により事態が一変する。

売上の低下に歯止めがかけれなくなったのだ!

自分なりに必死にやってはいたのだが、少し肌寒くなったある日、僕が告げられたのは“業態変換する”という言葉。

お世話になったオーナーに苦渋の選択をさせてしまった自分の能力の低さと不甲斐なさを情けなく思いつつ

その時、最初に僕が感じたのは精神的な疲労と重圧から解放されるという安心感だった。

そして、そんな自分に対する嫌悪感…

この時の強烈な自己嫌悪は後々まで引きずる事になる。

そんな訳で、それまでは“周年”という位置づけだった11月22日は

2004から自分にとって特別な日となった。

 

その後、系列店のBAR apeへと移り、辞めた後も色々な店で働いた。業種を変えた事もあったが

11月22日だけは“浸り酒”をしていた。

別にいつまでも引きずっている訳でもない。

過去は過去であり、どう思おうと変わることはないし、後悔に大事な意味はないし、自分の中ではもう消化はできている。

ただ特別であり、ただただ浸りたいので呑んでいた…

 

2012 11 22 僕はやはり呑んでいた。

近所のBAR “Rim Cafe Bar”の2周年だったのだ!!

今年最もお世話になった店の1つであり、マスターのPonちゃんは最もお世話になった内の1人だったので僕もなんだか嬉しい。

仕事前に顔をだし、景気づけの乾杯をしに行き

仕事後の6:00am前に改めて“おめでとう”を言いに行った!

3DAYSだったので3日間楽しい酒が呑めた♪

 

特別だった11月22日は、少しネガティブな想いをはらんでいた。

11月22日だけは2004で止まっていた気がする…

が!2012に動き出した僕の11月22日は色々な想いに“楽しさ”と心の底から“おめでとう”と思えるポジティブな想いが加わった!

こんなにご機嫌な事になろうとは!

本当にありがとう!そして頑張ろう。

来年もまた楽しい酒が呑めるように♪

 

最後に改めて

Ponちゃん Rim Cafe Bar 2周年おめでとうございます。

 

2012 11 25 21:04

須藤利浩

 

 

 

 

 

 

 

1人称“僕”

突然ですが、1人称。所謂“自分”の呼び名については色々とあります。

だいたいにして女の子の方がバラエティーに富んでいますね。

わたし・あたし・あたい・ニックネーム・うち・名前・苗字・ボク・オレ…

1つ1つ検証してみましょう(当然私見なのでツッコミ不要でヨロシク)

わたし・・・最もポピュラーな言い方。誰が使っても全く違和感がない代わりに個性という意味では0とされてるヤツ。

あたし・・・“あ”の部分を強調すればするほどに、軽いだらしなさを伴う。

あたい・・・現在では化石とされてると言っても過言ではない言い方。少しではない“あばずれ感”を伴う。

ニックネーム・・・そのものが可愛いのか可愛くないのかで印象がまるで変わってくる言い方。
本人の可愛い、可愛くないによっても大きく左右されてしまうので注意を要する。

うち・・・恐らく関西特有の言い方ではなかろうか?自分の周りにも多くみられるが、如何せん自分も関西人なので個性を感じることはない。
聞いたところによると東の方ではかなり破壊力を発揮するらしい。

名前・・・全国共通で意外と多くみられる。個人的には嫌いではないが、ごく1部の男子には反吐がでるぜとされている。
普段は“わたし”と言いつつ2人きりの時に使うと効果が高いとされている?はず!

苗字・・・言いやすい苗字限定とされている事から意外と少ない。
個人的には大好きで、過去に勝手に気になりだし勝手に堕ちてしまった経験有り…
あぁ~今ヨ○ダさんはどうしてるだろうか?なんて思い出すことも…ね~な。
余談ですが○に入る字は“ネ”ではございません。アシカラズ…

ボク・・・滅多にいませんが女の子の1人称としては最も可愛いとされてる言い方?!

オレ・・・過去数人いましたが、今すぐやめなさいとしか言い様がない。

って感じでしょうか。

 

変わって男は状況によって使い分けるボクとオレでほぼ事足りてしまう。

たまに“ワシ”という人もいますがある程度の年齢を重ねないと軽く滑稽に感じられる事が多い。

またまた余談ですがワシ使いの最強は菅原文太という事に異論を挟む人はいないであろう。

因みに僕は20代後半までずっと自分の事を“ジブン”と言っていましたが

これは逆に歳をとるにつれて軽い“イタさ”を伴う危険があるのと、関西では2人称に使う事が多いので誤解を招きやすい。
例)ジブンそれやり過ぎやで

昔連れて行ってもらった小料理屋にて、やたら店のおばさんに嫌われ謎に思っていたら

ある日、その母さんがいつも通りキレながら当時の社長に僕を睨みつけながら

「この子ホンマに口悪いわ!なんで“あたし”がこんな子に“ジブン”って言われなあかんのよ」
「・・・」

“文脈で解れバカ”と思いながらも謝ったのは言うまでもない。

 

そんな訳で???男も個性を打ち出していいんじゃなかろうか。

なんぞご機嫌なヤツないやろか?

あっ!日本古来のあれがあるじゃないか!

ソレガシ!!!

明日から使っちま・・・お・・・・・・やめよ。

友達なくすわ。

 

2012 10 25 0:33

須藤 利浩

 

 

 

ハイドアウト

さて、オープンから約10ヶ月。

BAR CLAYMOONは残念な事にまだまだお暇な日が多いです。

 

BARは“ハイドアウト”といいます。ギャングの隠れ家という意味ですが、

BARでは肩書きやステータスは関係なく、名前さえもいらない!

カウンターに並んだ瞬間から平等に酒を呑めばいい。

BARではあらゆる秘密が守られる。

だから安心して酒が呑めるし、ある程度は酔っても大丈夫。

“ハイドアウト”という言葉にはそういう意味合いも含まれています。

 

自分もこの仕事を始めて随分と経ちました。

色々な人の色々な秘密を心の奥底に宿し、日々ハードボイルドさを増している訳ですが

“秘密”といっても色々とあります

・・・

なぁなぁ、お前誰が好きなん?俺めっちゃアヤミちゃん好きやねんけど…

修学旅行か!!

俺が好きなのは…なんで言わなあかんねんって俺も修学旅行やないか!

ちなみにアヤミちゃんが好きなのはタッキーやけど、これは言えないぜ!

・・・

彼氏が浮気してるっぽいねん!どーしよ!

君の彼氏は君が思ってるほど格好良くありません!

ので大丈夫です。とは言えねーなぁ~

・・・

彼が優しくてぇ~

私めっちゃ愛されててぇ~

来年たぶん結婚すると思う♪

君の彼は昨日違う女と来てました!言わんとこ。

・・・

上の奴らは色々言うけど俺はやっぱあいつらを守ってやらんとアカンしな

俺はどうなってもええねん!

あいつら可愛いてしゃーないねん

あんな自分の保身と手柄しか考えれん馬鹿見たことないって言われてますけど?

まぁいっか。

・・・

因みに上記の話は全てフィクションですよ!?念のため

 

BARは喉が渇くからではなく、魂が乾いたら寄る場所!

“負”は吐き出して魂に潤いを♪

それを聞かせて頂いて、僕はハードボイルドさを増しつつモテちゃうぜ!

そして、みんな笑えばいいじゃないか!

 

BARでの秘密は絶対守られる。

あらゆる秘密は闇に葬り去られる。

それは僕の禁煙が2年で一旦終わってしまったことも!

僕があの娘にチョッカイをだそうとしてる事も!

例外なく内緒♪

 

そういう訳なのでもう安心。

さぁ皆さん!今日も遠慮なく呑んだくれましょう!!

待ってるぜぇ!!!

 

2012 10 17 8:12

須藤 利浩

 

 

 

あれから1週間

今、僕の手にはあるものがある、あるものが・・・

 

先週はというか先週もおかげ様でBAR CLAYMOONは狂気に満ちてました。

5:00まわってからの7名団体様、十三へのお誘い、昼まで営業、デートに大遅刻…

色々ありましたが概ねご機嫌でございます。

 

夏が行き、秋が来る。

真っ青だった空は爽やかな青になり

雲は立ち込めることなく契れて流れゆく。

身体を取り巻くねっとりとした熱気は涼やかな風と化し、纏うには繊細すぎて…

感じるのは“秋”と断言してもいい季節。

僅かながらも大いに感じてしまう切なさはいつもの事と笑い飛ばそう。

何かを掴んだと感じてる錯覚は実は掴まれている心の重荷…

捨て去りたいのか?背負って行きたいのか?

錯覚は目の前を、頭の中を、心の中を、屈折しながら、交錯しながら、衝突しながら…

発せられた光をどうしても手に入れたいと願いながらも、どうしても瞑ってしまう我が目に途方に暮れる。

“光”は願い、希望、願望…

それは存外身近にあるもので、人混みの中に見えては隠れる。

表通りに溢れる人の群れは別次元の出来事のように。

 

誰にも気づかれることなく密かに崩れていくこの心は

フェルメールでも見て繋ぎ止めようか。

ひたすら続く矛盾という錯覚に抗う事もできず流されていく感情には同情の由もなく

大好きな“秋”が心を削り取りながら不気味に笑う

笑うしかない感情は無抵抗に1秒毎に削り取られていく

心にいつしか“笑”は消える…

 

心を保とう!強い心を!負けない心を!

“決心”これほど美しい感情があるだろうか?

強い心、負けない心、あらゆる物を受け入れて決死った心!

・・・

今、僕にあるのは壊れた決心と情けない自分の弱さを象徴した現実。

また今度!出来る事が分かったから大丈夫!等と言う

最大限の格好悪さを伴った言い訳が渦巻くが、この感情は時間の流れと共に風化する。

それは分かっているのに…

 

今、僕の手にはあるものがある、あるものが・・・

煙を吐き出しいるそれをそっとくわえながら

自己嫌悪は加速する・・・

 

吐き出した 煙に心 魅せられて
戻れぬ道を 懐かしむ午後

お粗末・・・

 

2012 10 5 20:29

須藤 利浩