幸せのキセキ~アナザーストーリー~

これもまた4年と少し前からのオハナシ

4年半前のGW頃にある知り合いが近所のお店“イタパン”の噂のマスターのりちゃんを連れて来てくれた

噂通り喜怒哀楽の激しそうな娘

“楽しそうに呑むなあ”

というのが最初の印象だった

自分はそういう人間とは概ね仲良くなるのですが

のりちゃんも例外ではなく早々に仲良くさせて貰うようになった

 

“須藤さん聞いて!好きな人が出来てん!”

いつも通りご機嫌に呑んでいたのりちゃんが急に言った

ほう、よろしいこっちゃ

僕に聞かない理由はない

“ケンシくんっていうねん。格好いいねんけどなぁ、そんなんとちゃうねんめっちゃいい人やねん”

めっちゃいい人?

さてどんなエピソードがでるやらと構えた僕にのりちゃんが聞かせた話はこうだ

明日が早いけど起きれるか不安というのりちゃんにケンシくんは

“俺も明日早いから電話して起こしてあげるよ”

と言ってくれたそうだ

安心して寝たのりちゃんは残念ながら寝坊&遅刻となった

携帯は鳴らなかったのだ

その夜、“ごめんな、俺も寝坊してもて電話できんかってん”

ケンシくんからお詫びの連絡

“な!!めっちゃいい人やろ!?”

いやいやのりちゃんそれ普通やで…

ていうか電話できてない時点で普通よりちょい下ちゃうの?

ほどなくのりちゃんが連れて呑みに来てくれたケンシくんは

控えめでマイペースなタイプだった

のりちゃんとは絶妙なバランスという事なのだろう

 

惜しまれながらもイタパンはなくなり“駱駝”と名を変えた店舗もなくなった時

のりちゃんはなかなかにハードなトラブルに見舞われた

西中島近辺では色々な噂話が飛び交ったが

久しぶりに顔を見せてくれたのりちゃんは言った

“知らん人にまで好き勝手言われて本当に口惜しい。須藤さんには全部話すからそんな人らとしょうもない話はせんといて欲しい”

信用が嬉しかった

その一件以来更に仲良くなったのりちゃんは未だに僕の周年と誕生日

年末年始の残念なほどタイトな両日をスーパーな笑顔で訪ねてくれる友達となった

 

ある日パジャマのような格好で全くシラフで来たのりちゃんはいきなり言った

“須藤さんネットカフェの行き方教えて”

頭の中に“?”しか浮かばない僕に

“もう終わりやから別れる。決めてしまったから感情が穏やか過ぎて怒る事もないけど今日は帰りたくないからネットカフェ行ってみるわ”

請われた僕はネットカフェの説明はしつつ

“色々あるやろうけど冷静に考えてみたら”と説得を試みた

“もういいから。今までも色々あったけど今回はホンマに終わりやねん”

と言い張るのりちゃんを見送りながら何度見ても大好きな2人が別れるのをみるのはあまり気分がいいもんじゃないな

と少し切ない気持ちになった…

数日後に会ったのりちゃんは“ネットカフェ話”を笑い飛ばしながら仲良くケンシくんと呑んでいた

呆気にとられながらもホッとした僕はその後数回(1回2回じゃないですよ!!)持ち上がる別れ話を毎度馬鹿々々しく思い笑いながら聞く事になる

 

そろそろとこちらが思う事なくのりちゃんがそろそろと言い出したのはそれから1年ぐらいか

理想のセリフ、理想のシチュエーション、理想のプロポーズ…

聞かされる度に泣き、笑い、ケンシくんの困った顔

喜怒哀楽を炸裂させながら1歩1歩進みつつ

禁煙を決意してまで“勝負”と位置付けた?鹿児島のケンシくんの両親への“ご挨拶旅行”もまた

行く前は散々泣いたり怒ったりしていたのが帰ってきて

“須藤さん聞いて”な話は笑顔しかなかった

 

“ドレス着るからダイエットするねん”

ある日ダイエット宣言をしながら数杯目のビールを呑み干したのりちゃんは

いつもと変わらないペースで

“須藤さんおかわり”とビールを注文した

更に“お腹すいたなぁ~カツ丼食べたい!!”と

おおよそダイエットには似つかわしくない単語がとびだした

迎えに来たケンシくんに

“カツ丼食べたいけど食べていい?”と甘え

“カツ丼♪カツ丼♪”と嬉しそうに連呼しながら

ケンシくんに手をひかれご機嫌に帰るのりちゃんは酔いはするが昔ほど酩酊しなくなった

手を引きながら諦めたような苦笑いを浮かべたケンシくんは優しい顔をした

お互いを思いやる2人だけの世界

2人にしかわからない世界

いい関係だねと心の中で呟いた僕はホッこりとした心地がした
(ダイエットは無理やな…)

 

先月そんなのりちゃんらしく辿り着いた幸せのお披露目となる結婚式に呼んで貰った

“馬子にも衣装”とはよく言ったもので!?

のりちゃんのドレス姿はなかなかに様になっていた

ヴァージンロードを歩きながら必要以上に色々な人の視線に目で応えている

のりちゃんと並び少し緊張気味に見えたケンシくんは

神父さんの“・・・な時も・・・な時も・・・・・・愛を誓いますか?”

と問われ

“はい!誓います!!”

と大声でまさに愛を叫んだ

会場には失笑にも近い笑いと意外性に驚く笑い、微笑ましさ故の温かい笑いにケンシくんの照れ笑い…

色々な笑いが溢れ交錯する中で

厳かに“誓います”といったのりちゃん

普段のキャラと真逆の2人のコントラストに

会場は幸せな空気に包まれた

 

その後爆音でのハイスタのステイゴールドでためにためてバズーカを持って皆の前に登場し

1歩前でしゃがんで呼吸を合わせたケンシくんの優しさと紙吹雪を

歓喜に沸く参列者に炸裂させた

花びらのシャワーを浴びながら

全身から迸る幸せを見せつける2人

何もかもがのりちゃんらしい素敵な式で

いつも通り弾けるように笑うのりちゃんは

傍らの見たこともないほどに感情をさらけ出し幸せそうなケンシくんと会場にいる全ての人を

のりちゃん色に染めた

 

これが先月僕が見たもう1つの大好きな2人の最高の幸せの軌跡

 

結婚式

大好きな人が幸せになる様、大好きな人の最高の瞬間

何度呼んでもらってもいつもいいもんだ

そんな幸せの坩堝幸せの連鎖の中にいる感覚は独りの実感

羨ましくは感じない

次は自分がとも思わない

幸せになりたくない訳じゃない

が…

トランキーロ!!

あっっっせんなよ!!

幸せが俺を追いかけろ!!!

 

2016 8 12 7:54

須藤 利浩

 

幸せのキセキ

4年以上も前からのオハナシ

そろそろ終わりかなと思った朝方に開いたお店の扉

“あっ”

思わず口をついて出た言葉は少しの驚きをはらみつつも良くも悪くもあまり感情のこもらないものだった

昨日も来てくれた近所のお店のマスターらしい若くてオシャレな彼に対して

僕は心の中でジャッジを下せずにいた

面白そうではあるが掴み所のない飄々した風貌は僕と合うようには思えなかった

彼から“好意”の様なものを感じる事も出来なかった

にも関わらず昨日に続いてのご来店

名刺交換をしながらのザックリとした自己紹介で

“ポンです”と言った彼との出会いはそんなありきたりで特別ではなかったと記憶している

 

その後、かなりの頻度で色々な人を連れて来てくれた

回数を重ねる毎にうっすらとした初対面の相手に対する感情の防御壁は崩れ去り

彼の人間性に触れるやすっかり彼の魅力に魅せられた

ある日淀川の河川敷にて朝っぱらから呑んでいた時の事

生い茂るクローバーを見ながら

“よつ葉のクローバーなんて幻や!そもそも幸せが幻やからな!?”

と訳の解らない事を言いながら酔っぱけていた僕に

“須藤さん!!”

と満面の笑みを浮かべ呼びかけたポンちゃんの手にはよつ葉のクローバーが!

1分とたたずに幻の幸せを探し出してきた

感心する僕は次の瞬間更に驚愕することになる

“好き、嫌い、好き、嫌い アカン嫌いやあ!!”

???!!??!?!!!

4枚でまさかの花占いならぬ草占い

幸せを見つけるセンス、瞬時にそれをベットする潔さ、それら全て笑い飛ばせる器の大きさ!!!

4年半前の春の衝撃

 

“ちょっといい娘がいるんですよ、エニーさんの知り合いなんですけど…”

他人の色恋にさして興味なんぞはないが

楽しそうな笑みを浮かべながら話すポンちゃんを見るに少し興味がわく

その見つけたものはただの暇つぶし的な興味なのか

些細な楽しみの種か未来の大いなる幸せの芽なのか

“スタイルがよくてノリがいいんですよ”

と聞いていた通りアサミちゃんは確かにスタイルは良かった

ノリも良かったというかノリに関してはスタイリッシュな外見からは意外なほど

もはや“大丈夫か”と思うほど良すぎた

今はなき朝の“しょんべん横丁”に呼ばれて来たアサミちゃんは疑いようがないOLだった

ここは朝のOLさんの来る場所ではない

またある時は

“今日はお腹が痛いので休ませてください”

と会社に電話し

“やっちゃった笑い”を浮かべるアサミちゃんの右手にはしっかりと酒の入ったグラスが握られていた

おいおい社会人失格ですよ

ノリの良さから色々と笑いを提供してくれた彼女ではあるが

何より僕を驚かせたのはアサミちゃんの“愛情に対しての真っ直ぐさ”だった

 

そもそも初めて会った時から分かり易くポンちゃんに対する愛情は見て取れた

周りに“好きさ”をアピールしている煩わしさは全くなくただ“好きさ”が溢れている

こういう正直な娘は好きだが

次々に幸せを見つけ新たな環境を創り出しアクティブに動くポンちゃんに

アサミちゃんの愛情はまっすぐ過ぎる気がした

事実、芳しくない話しをよく聞かされた

話は聞いてあげれるが僕はいつも自分のスタンスを明確にする

僕はポンちゃんの友達でありポンちゃんあってのアサミちゃんであり

ポンちゃんあってのアサミちゃんでしかない以上余計な協力はしない

ポンちゃんからは別れる旨の話を何度も聞いた

傍から見ていて2人の幸せは想像しがたく難しいように思えた

 

昔ある人が言っていた

人間には2種類ある

人生色々な事があり悲しくて泣く事もあるだろう

そしてやがて泣き止んだ時に強くなるのか、弱くなるのか

アサミちゃんはよく泣いていた

ポンちゃんの名誉の為に言っておくが

ポンちゃんが悪いと言うよりも些細な事でよくピーピー泣いていた訳ですが
(色々な人が色々な場所で色々な場面で目撃していた事でしょう)

その度に強くなっていったように見えた

泣きながらも必死に寄り添い離されないようについていく様は

健気ではじけるように美しかった

奇跡が起きそうな気がした

奇跡は起きようとしていた

2人の最高のカタチ

 

数年後朝方に1人でポンちゃんが呑みに来てくれた

“今日は喧嘩したから帰りたくないんですよ。須藤さん呑みに行きましょうよ”

十三にて久々の二人呑み

“今日も・・・で・・・で腹立ったから婚姻届破ったりましたわ”

ん?!

思ったより話は進んでるようだ

酒がみるみる胃袋に流し込まれていく

珍しく愚痴るポンちゃんの話を聞きながらも随分前から感じていた感情が時折顔を覗かせる

クールな彼があまり人に見せようとしないが隠せなくなっている

アサミちゃんへの愛情

 

10:00am過ぎまで呑みもうそろそろ帰ろうと店を出た

“須藤さん役所に行きたいから付き合ってくれません?”

なんとなく話はみえたが僕は基本的に性格が悪いので敢えて聞いてみる

“いいけど何しに行くん?”

“いや~破ってもーたから婚姻届貰いに行こうかな”

照れ笑いが素敵過ぎる

“また破るかもしらんから念のため6枚もらっとこ。後、離婚届も2枚やな”

でた!!相変わらずブッ飛んだポン発想!!

“須藤さんも貰っといたらいいですやん。何があるかわかんないっすよ”

確かにね

でもその何かは6枚全部破ってもた時にって事にしとくか

結局最後は笑顔やもんなとつられて笑顔になりながら帰ったその日の数日後

最高の笑顔で2人婚姻届を見せるその姿をFBで見たのだった

 

そして先日結婚式に呼んで貰った僕は

舞い上がる風船を眺め

テキーラでの乾杯という未だかつて体験したことのない乾杯をしながら

“昔知り合いの結婚式で全員でテキーラで乾杯ってした事あるわ”

と誰かに一生話し続けるんやろうなぁと思いつつ

この2人といると常に笑顔になるよなぁと

溢れる笑顔と未来の素敵な思い出話を貰いながら

ご機嫌すぎる2人の姿を見てなんとも言えず幸せな気持ちになった

 

これが4年半前から僕が見てきた大好きな2人の最高の幸せの軌跡

 

2016 8 4 7:48

須藤 利浩

 

 

 

帰り道

早いもので新大阪・西中島エリアで働き始めて7年が経ちました

ご存知の方もいると思いますが僕はやたらと国家権力の人に声をかけられます(いわゆる職務質問ね)

彼または彼女らは決まって上から目線で且つ犯罪者扱いで話してかけてきて

“ポケットの中の物をだせ”と言ってくる訳ですが
(最早カツアゲですよ)

2015は始めて職質されなかった!!

とはいえまあ色々とある訳で・・・

 

ある日の帰り道

信号待ちをしていた僕の右側からきた自転車の上からただならぬ視線を感じた

警察だ!

失礼と言って差し障りのないほどに僕をジロジロと見ながら通り過ぎようとしている

10代の小僧でもあるまいし

“目をそらしたら負けだ”

などという感情はとっくの昔になくしているので視線をそらしたが気にはなる

何気に視線を戻すと通り過ぎながら首だけ振り返りまぁ~だジロジロと見てやがる

何度も視線をそらすのも不自然だし睨みつけて挑発するつもりもない

僕は生ゴミでも眺めるかのように興味なく見送った(実際のとこ全く興味はない)

おおよそ限界まで首をひねりジロジロと眺められ

“はぁ、また職質か”

と思った刹那彼は前を見て行き過ぎた

ホッとした僕の前を続けざまに通り過ぎた後続の2台の自転車の上には

数ヶ月前に 不当に自転車で追い掛け回してきたあの時の警察官がいた

“お前らか”

と心で呟き思わず見上げた空は唯々青かった

“何でこんな煩わしい想いをせんとあかんねん”

と僕の足取りが重たくなった

 

ある日の帰り道

その日はひどく寒かった

営業後店で堕ちてしまい寝起きでぼんやりしていた僕の目に飛び込んできた景色は

パチンコ屋の開店前の行列だった

この寒いのに大変やなぁ~

と、思っていると慌てて店員らしき男が走り寄って来て言った

“すみません!並んでますので!!”

いやいや見たらわかるから

なんや俺は列にも並べない無法者に見えるのか?
もしくは並ぶという習慣のない国籍の人に見えるのか?

なんだかなぁと思いながら無言で通り過ぎようとした僕に店員らしき男は

“最後尾はこちらです”

と若干慌てながら並ばせようとする

いやいや帰るから

心の中で言いながら彼の声を背中でやり過ごし

僕の足取りが少しだけ重くなった

 

ある日の帰り道

それは日曜日の昼下がり

いつもの如く営業後に店で堕ちてお腹を空かせた僕はJR尼崎駅で電車の遅れに遭遇した

メドのたたない“待ち”ほどバカバカしいものはない

とりあえず駅をでて王将にて餃子&ビールという極上タイムを経て

歩いて帰ろうとご機嫌でセブンイレブンにて缶ビール500mlをレジに持っていったのだが

店員は袋に入れる気配がない

訝しげな表情を浮かべる僕に負けじと訝しげな表情を返しながら

“袋いりますか?”

と尋ねてきた

おいおい日曜の真昼間にビールを裸で持たすのか?

そこは黙って袋に入れとけよ

どーかしてるぜと思いながら店をでて10秒袋から取り出したビールを開けた

確かにすぐに飲むけどよ、君の勘は正しかった訳だがその目に僕はどう映ったのだ

とどうでもいい事を思いつつ1口ビールを口に含んだその時

突然颯爽と現れた自転車とすれ違った

“マジか!可愛い!!”

ほんの一瞬の名も知りえぬ美女との邂逅

当然何かが起こる事はないが何となくバツが悪い

 

まあいいやとりあえず家までは一駅無駄に歩く故たっぷり30分はかかる

空になった空き缶を持ったままぼんやり歩いていると酒の自動販売機が

自販機でビール買うのも久々やなぁと1本所望していると

お囃子の様な祭りらしき音が近づいてくる

構わずビールを呑みながら歩いているとチビッコだんじりに遭遇した

子供の頃引かせてもらえなかったヤツだ

と、数人の母親らしきオバさん達が代わる代わる子供と僕の間に身体を割り込ませる

おいおい取って食うようにでも見えるのか煩わしい

ゲンナリしながら歩きつつもまだまだ家までの道のりは遠い

 

2本目のビールも空になったのでまたまたコンビニへ

3本目の500缶を開けて口をつけたところで二人乗りの自転車が追い抜いていった

すると何が珍しいのか後ろに座ったチビッコが視線を外さない

“15年もすれば君もできるから焦らなくていいんだよ”

自転車の速度で遠ざかるチビッコに

ニコリともせず心の中で呟いた

 

3本目の缶の重みがなくなり中身が心もとなくなってきたところで

いよいよあの門を曲がれば僕の家が見える

今日も仕事だから少し寝たら店に行かなければならない

家が近づくに連れて足取りが重くなる

と、その時ある考えが浮かぶ

“もう1本呑んじまうか”

起きた時にしんどいのは起きた時に考えればいい事だ

今をご機嫌にするには酒がいる!!

僕は家の前を通りすぎ

足取り軽くコンビニへ向かう

 

2016 2 25 6:58

須藤 利浩

 

 

 

 

 

月とボウイと無人のカウンター

デヴィット・ボウイが死んだ

そして僕はまた1つ歳をとった

初めて歳をとるのを“イヤダ”と思った・・・

 

背中に住んでるちっちゃいヤツが騒ぎだす

立ち並ぶ煙突が大声張り上げ叫んでいる

“時間は無限じゃない!有限だからな!”

と言ってくれたあの恩師は今や夢幻

“時間”が希薄になっている感覚は“なっている”にしているだけのオハナシ

話にならないオハナシ

 

残された時間はいかばかりか

僕と墓石の間に横たわる時間を無駄に削り取った5年間

新しい言葉は未だ見つからない

輝いて見えるのは月世界の白昼夢

スターマンはニヤリと笑う

彼の待つ宇宙は遠すぎて僕には彼の光が見えない

 

どこへ向かおうか

意味のないつぶやきは煙草の煙と共に消える

それは簡単な事じゃない

君が先導してきたあらゆる不思議について考えよう

無人のカウンターを目の前に

病みは闇となり目を開くのを諦めた

 

絶望からの脱却は

暗闇と恥辱の歌が聞こえる

歌は終わることなく夜通し鳴り響き世界が裏返る

ありとあらゆる僕を抱えたまま

眠りに堕ちる事なく恋に落ちる事なく

君の意志のままに地に堕ちた

 

精神崩壊制御不能

屈折する星屑は自尊心を愛し

僕の心にだけ引き込ままれていった成れの果て

もたれかかるな

寄りかかるな

お前には味わう時間がないじゃないか

 

何かしらの決断を

たとえ何であろうと誰であろうと

あなたは存在していたはずだ

たとえいつであろうとどこであろうと

あなたは見ていたはずだ

すべてを受け入れてすべてを終わらせよう

 

背中に住んでるちっちゃいヤツが騒ぎだす

シニカルなセリフを探せ

偽善を捨てろ

感謝さえ伝えられない末期症状

たったそれだけの事

それでもどうにかして僕は僕を救う

 

 

2016 1 20 12:42

須藤 利浩

 

 

 

 

 

 

 

 

 

愛 流浪の果てに~これでいいのか?それでいいのだ!~

ずっと欲しいものがあった
そんなに難しい事じゃないと思っていた・・・

 

熱気を帯びた生暖かい風はいつの間に

冷めた乾いた風を纏い身も心も凍えている12月

皆様のおかげで来週BAR CLAYMOONは4周年となります

4年!!僕を取り巻く風景は随分と様変わりしたようだ

お客様の顔ぶれ、周りのお店の状況、懇意にして貰っている人々の事情

そんな中で取り残された感覚に襲われ変われない僕がいる

 

ずっと欲しいものがあった
そんなに難しい事じゃないと思っていた・・・

 

昔から思う事であるが幸せに順番はない

なれる奴からなればいい

自分の知り合いが幸せになるのを目の当たりにするというのは幾人見送ってみても気分は上々だ

他人である故“羨み”を感じる事もない

ただ・・・

自分が行くことはない

いつぐらいからだろうか最早行ける気すらしなくなった

 

ずっと欲しかったのはほんの少しの心の癒し

いつ失くしたのか?ハナっから持ち合わせてなかったのか?

心の回顧に意味はあるまい

現状ないものはどうしようもなく影も形も全くもって見えない

そんなに難しい事でもない気がするのだが

漆黒の闇の中にどこまでも沈み込み

いつまでも同じ場所に佇んで途方に暮れる僕がいる・・・

いや“いた”というべきか

 

それはあまりにも突然であった

ある日見ていた動画ではしゃぐポメラニアンに心を射抜かれてしまった

そうか!ホモ・サピエンスに癒しを求めたのがそもそもの間違いだったのだ

だいたい昔から“たぬき顔のタレ目が大好き”などと宣っていた訳だが

そんなもんまさにポメラニアンやないかーい!

 

めっちゃ欲しいものができた
少し頑張れば手に入る!!

 

さあポメラニアン貯金を始めよう

僕の“癒し”を探す旅はそろそろエンディングに差し掛かりそうな気配を見せ始めた

遠かった怖かったでも 時に素晴らしい

夜もあった 笑顔もあった どうしようもない 風に吹かれて

生きてる今 これでもまだ 悪くはねーな

流浪の果てにやっと見つけた愛はやっぱりたぬき顔のタレ目

ポメラニアンだったのか!

ん” ~ ~ ~

ほんとにそれでいいのか?

いやいやこれでいいのだ!

 

という訳で来週の週末18日と19日はBAR CLAYMOON 4周年でございます

今年は1人なので特に何をするでもありませんが

来て頂けたら本当に嬉しいのでポメラニアン購入までの心の癒しに是非ご来店下さい

そしてポメラニアン情報があれば教えて下さいな

よろしくお願いしまーす♪

 

2015 12 11 9:42

須藤 利浩

 

 

 

 

 

区切りと割り切り、その愛を貫け!?

今更ではあるが2014はハッキリ言って録でもなかった

仕事、プライベート共に何の形も創れず

唯々無駄に1つ歳を重ねたとしか思えなかった

 

終わった事は仕方あるまい

何を言った処で時間が戻るわけでもあるまいが

こんな釈然としない気持ちは早々に捨て去りたいものだ

ただ人というものは、またその感情というものはそんなに簡単に出来てるものでもない

負の感情はその後ろ向きさ故

心の奥の方にべったり張り付いて中々消えてくれなかったりする訳だ

 

そんな時に便利な“区切り”というものが誰にでも少なくとも2つはある筈だ

そう!誕生日と正月!?

それに加えて我がの店を始めた自分にとってはお店の誕生日となる周年

この3種の神器的な日こそ色々と自分を“割り切る”好機となる訳だ

 

が・・・

周年は例年通りの失態に膨大な“自己嫌悪”を抱え込んでしまった

正月は“携帯電話からの解放”は出来たが疲れ故か唯々寝て終わってしまった
(16時間睡眠とか何年振りやったやろ)

誕生日もまた例年のごとく暇過ぎる我店にて渇ききった苦笑いしか生まれなかった

なかなか困った事になっていた訳ではあるが

ここは今週末のビッグイベントで気分転換をはたしご機嫌になろうではないか

 

最初に出会った時の衝撃

時折見せられた憂いに満ちた意外な素顔

まだまだ底を見せない若さ故みるみる増していく君の魅力に僕は抗えるだろうか…

 

最初はそんなに気になる存在じゃなかった

でも君は見るたびに感動をくれた

そして気がつくと、どんどん好きになっている自分がいた

あの日の出来事で君がいなくなってからそろそろ1年

やっぱり君の魅力は変わらない

 

さぁ僕はどちらを選べばいいのだろう?!

この際両方!!

いや、それは男としてどうかと思う

いかに若くて魅力的だから心を惹かれそうになったとはいえ

あの時の僕の想いは本気だった筈だ

男ならやはり浮気はせずに最初の愛を貫くべきであろう

いろんな事を言う奴がいるだろう

いろんな不利があるだろう

それでも君よ小娘如きに負けるないでおくれ

僕の想いは君と共にある・・・

 

ってな訳で決まりました

2013ダービー馬キズナからハープスターへ馬単1点 4→8

少しだけ購入してこの週末のビッグイベント

第108回京都記念(G2)~キズナ復活祭~

に参加してみようかと思います

 

あ!チョコレートなやつは全くもって縁がないので当然スルーする事になるでしょう

あぁ~今日も暇になるんかなぁ

まぁいっか

慌てない慌てない

一休み一休み

 

2015 2 14 14:45

須藤 利浩

僕の子供の子供の子供のずっと先の子供の為に

先日あるお客さんと何となく話していた時

この仕事(バーテンダー)をしている意味について悩んでいた時の事を思い出した

誰が言ってくれた言葉だったかは残念ながら覚えていない

“こんなデジタル化した世の中だからこそ人間力っていうのかな?そういうアナログ的なところに帰ってくるんじゃないかな”

当時の僕を救ってくれた言葉

そう思う事で今日までバーテンダーとして頑張ってこれた気がする

と、少しばかりセンチメンタルに浸りかけた僕の気持ちは

“デジタル化しすぎていくとこまでいっちゃった感じですよね”

というお客さんの言葉に引き戻された

確かに30年前辺りと比べてみると随分と変わった

今やほとんどの人が自ら携帯電話を持ち、インターネットとやらで世界中の人とタイムリーに繋がれたりもする

凄い進歩ではある

が、いくとこまでいったかというと甚だ疑問ではある

 

人は未だ宇宙空間を制圧したとは言い難く

火星のテラフォーミング計画は害虫の王の妨害にあい?

スペースコロニーでの生活どころかサイドワンのメドも立たずザビ家によるジオン公国は未だ影も形もないではないか?

幼い頃、未来と言えばロボットの世界を思い描いていたが

ロボットの実用化もまだまだずっと先の話であろう

いや!この進化のスピードを考えるならロボットの世界は案外近い将来に実現するかもしれぬ

僕の子供の子供の子供のもうちょい先の子供が生きている時代は

ロボットが溢れかえる世の中になっていよう

そうなるとやはりその性能、頭脳等からいって愚かな人間がロボットに支配される世界になるのは火を見るより明らかだ

 

僕の天邪鬼っぷりを引き継いだ僕の子供の子供の…が

おとなしくロボットの言う事を聞いているとは思えない

恐らく地下レジスタンスの一員としてそれなりに頑張ってはいるのだろうが

引っ込み思案で控えめな僕の子供の子供の…が“リーダー的な事”をしているとも思えない

いち戦闘員として日々を送っているであろう彼に想いを馳せてみるに

親の親の…としてはできればそれなりの活躍はしていて欲しいと願う訳で

北斗○拳に登場している様な

顔にセンスのないペイントを施し髪をモヒカンで固め“ひでぶ”だの“あべし”だのと残念な断末魔の叫びをあげながらアッサリ殺される

そんな一生で終えるのは親の親の…としては忍びないではないか!

子供が出来たら野球をやらせて20年後には契約金1億円♪

などと密かに企んでいたのだが

なんてこった野球なんぞやらせている場合じゃぁない

特に身体能力が優れてる訳でもなく、特に喧嘩が強い訳でもなく、特に人としてのメンタルが強い訳でもない僕の子供の子供の…が人様のお役に立つ為には?

肉体的にもメンタル的にも逞しくなる必要がある

って事は何かしらの武道をやらすべきではなかろうかと思った次第でございます

 

僕の子供の子供の…であるなら基本的には地球人という事になる

途中でサイヤ人の血が混ざるかもしれぬとはいえそのような不確定要素に頼っていると早死にする事になる

相手はロボットであるならそれなりの素材で造られている訳だから打撃系ではオハナシにならない

ここは親の親の…の希望も入ってしまいますが

心身共に鍛えるというのならやはり剣術をおいて他にはあるまい

できれば飛天御剣流ぐらいの無敵なヤツを習わせたいものである

という事ならば今僕がすべき事は…

 

家宝にひと振りの刀を買おうじゃないか

漫画の世界じゃあるまいし、両手と更に口に咥えて3刀流なんて事にはなるまい

君に届けと願いながら特別なひと振りを用意しておこう

長曽根虎徹?和泉守兼定?はたまた菊一文字…

いや!駄目だ!そんな非常識な未来に常識的な刀では対処できよう筈もない

よし!斬鉄剣を手にいれよう!!

来るべき未来においてこんにゃくが斬れない事は致命傷にはなるまい

今この現代ですら絶滅した武士となり

“またつまらぬ物を斬ってしまった”と言いながら

人類の明日の為にバッタバッタとロボットをなで斬っておくれ

僕の子供の子供の子供のずっと先の子供の君に

今それだけを望む…

 

 

さぁ~て今日から斬鉄剣貯金始めるぞ~!!

と、まずは君の親の親の親のずっと前の親

所謂僕の子供をつくらないとね・・・

 

君が為 未来を照らす ひと太刀に 先祖代々 紡ぎし思ひ

なんのこっちゃ・・・

 

2014 11 10 7:45am

須藤 利浩

 

 

 

 

 

 

冬に生まれた春は梅雨を世界の豪脚で切り裂き9cmの歓喜は初夏の空に登るのか消えるのか・・・

さっき買ったばかりの赤い箱から1本抜き取りくわえながら考えた

 

誰が言ったか“春の欝は根深くタチが悪い”

北風に晒された鬱屈した心情が凍えた“負”を抱え込み

凍りつき幾重にも重なった欝が春の陽気で溢れ出す

 

安物のライターの渇いた機会音は1度で決まらず2度3度

 

あらゆる生命の息吹は始まりの鐘を鳴らす

蠢く春が目を覚ます

ありとあらゆる春が密かに欝を裏に秘め

知らずいつの間にか心は闇に侵食される

 

目の前の炎をしばし眺める空っぽを実感する数秒間

 

今ここは、正気と狂気の分岐点

狂気は桜と共に散らせばいいさ

いつも通りの予定調和は

花粉症の自覚によって崩壊した

 

肺の隅々に行き渡る何の意味も持たない煙

 

広島カープの快進撃がもたらした

ここ数年感じる事の出来なかったまさに僥倖

唯一感じ得た春らしい痛快さは

案の定3ヶ月ともたず

唯々ストレスを供給してくれる

 

吐き出された煙はカウンターの上を滑るように流れる

 

今年ほどドラマチックな日本ダービーはあっただろうか

橋口調教師積年の夢

既定路線とさえ思われた

ダンスインザダークによる武豊ダービー初制覇というシナリオが

フサイチコンコルドの音速の末脚に屈しておよそ20年

幾度となく苦杯を舐めながら

新潟事件により騎乗依頼が激減した大崎に手を差し伸べ

目を患い終わったとされた上村に手を差し伸べ

自身の管理馬リーチザクラウンが2着という悔しいレース後

同レースをロジユニバースにて制した横山へ真っ先に“おめでとう”と駆け寄ったという

時として残酷と感じさせる時間はリアル

留まることなく容赦なく流れていく

定年までに残されたチャンスは2回

 

流れゆく煙を眺めていた筈がいつの間にやら煙に包まれていた

 

ワンアンドオンリー~唯一無二~

横山に導かれ魔法のようなレースをした彼が抜け出したのは

レースであり惜敗の歴史であり歓喜の扉の向こう

事実は小説よりも奇なり

その名の通りの悲願がもたらされたのは

氏の人柄による必然か

 

吸い込む度に加速する灰に覆われた橙の光はおおよそ半分

 

歓喜の余韻の残る梅雨空の東京

降りしきる雨は波乱を予感させる

世界一の称号はアクシデントを逆境を跳ね返せるのだろうか

ゴール前であがく彼を悲鳴と怒号が包む

誰もが諦めかけたその刹那

炸裂した世界の豪脚は前を自らの誇りを捉えた

その差わずか9cm

 

最後の煙を吸いそしてそっと吐き出した

 

梅雨が終わる

夏の匂いを感じる

とめどなく汗が流れセミが哭く

諦める事のできない僕の気持ちはくすぶったまま

相も変わらず遠回りをしながら寄り道を繰り返し

自分らしさと自己嫌悪の間を揺れ動く

仕方なかろう

人は最も大切な本心の元に従順でしかいられないのだ

 

もみ消した煙草から苦しげに漂った煙は瞬く間に目の前の空気に紛れ込んだ

1本の煙草を吸い尽くすまでの無駄な時間

振り返ってみたこの半年間はその程度だったのかもしれない

せめて年末はバーボン片手に煙草1箱

一晩語り尽くす程度にはしたいものだと願いつつ

自虐な笑いを振り切って僕は席を立った

さぁ帰ろう

今日を終わらせよう

そして起きて

明日を始めよう

 

2014 7 15 10:30

須藤 利浩

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月が綺麗に見えたから

月が綺麗に見えたから

あの娘の笑顔が見たくって

 

月が綺麗に見えたから

今日は歩いて帰ろうか

 

月が綺麗に見えたから

コンビニ寄って酒買おう

 

月が綺麗に見えたから

買ったそばから呑んじまおう

 

月が綺麗に見えたから

あの娘の声が聞きたいな

 

月が綺麗に見えたから

遠くで仔犬が鳴いている

 

月が綺麗に見えたから

黒猫の影に目もくれず

 

月が綺麗に見えたから

風の流れがよく見える

 

月が綺麗に見えたから

あの娘に連絡しようかな

 

月が綺麗に見えたから

街灯の灯が寂しげで

 

月が綺麗に見えたから

自分の弱さが身にしみる

 

月が綺麗に見えたから

不安もなんか暖かい

 

月が綺麗に見えたから

あの娘とお酒が呑みたいな

 

月が綺麗に見えたから

今の自分にこだわろう

 

月が綺麗に見えたから

いったん楽になりましょう

 

月が綺麗に見えたから

それで自分を保てるか

 

月が綺麗に見えたから

あの娘にサヨナラ言い出せず

 

月が綺麗に見えたから

眼前広がる静けさは

 

月が綺麗に見えたから

見たこともない海の底

 

月が綺麗に見えたから

そこでは全てが闇の中

 

月が綺麗に見えるけど

まだまだ蒼くは見えないな

 

月が綺麗に見えたから

歩いた先には何がある

 

月が綺麗に見えたから

悲しい気持ちが溢れ出す

 

月が綺麗に見えたから

意味はないけど笑ってよう

 

月が綺麗に見えたから

あの娘の面影想い出す

 

月が綺麗に見えたから

壊れた僕は捨てて行こう

 

月が綺麗に見えたから

何かを拾って持って行こう

 

月が綺麗に見えたから

磨けば綺麗になる筈だ

 

月が綺麗に見えたから

あの娘は何をしてるだろう

 

月が綺麗に見えたから

もう少しだけ酔っちまおう

 

月が綺麗に見えたから

千鳥足でも構わない

 

月が綺麗に見えたから

優しくなれる気がしてる

 

月が綺麗に見えたから

あの娘も月を見てるかな

 

月が綺麗に見えたから

昨日を思って凹んでる

 

月が綺麗に見えたから

今の憂いを嘆いてる

 

月が綺麗に見えるから

明日は希望に満ちている

 

こんなに月が綺麗な夜は

壊れた凍えた感情も

希望も憂いも愛しさも

心の奥に仕舞い込み

自分の吐いたため息の

白さになんかホっとして

次の休みは時間を創って

あの娘の笑顔に逢いに行こう

 

2014 1 31 10:45

須藤 利浩

 

 

大台かぁ・・・

恐らく30代最後のブログって事になりそうな

私事ではありますが12日で40歳となってしまう訳です

10代の頃のハタチ、20代の頃の三十路共に別段何の感慨もなかったのですが

40は重いような…

なってしまえば何も感じる事はないのかもしれませんが

何となく引っかかるには理由がある訳で

それには心当たりもあったりする訳で…

 

先日、親父の会社の友達だったという方が2人でお店に来てくれました
(親父はもう引退?していますが)

自分が生まれる前からのお友達で

今でも年に数回は親父と一緒に呑んでるとの事

風来坊は次男坊

そんな言葉があるのかどうかは知りませんが

自分は次男坊でかなりの風来坊でした

“君は次男の・・・な子だよね?”

とまぁ割とロクでもない事まで知ってる風な口ぶり

そして“残念”と言わざるを得ないのかもしれませんが

息子とはそうゆう物らしく

親父はこんな次男坊にもそれなりに期待をしていたらしい

そう!引っかかっていたのは40手前にしてまともに“親孝行”をしていないなという事

最近よく考えていたところだったので心苦しさしか感じない

“最近親孝行について考えてはいるのですが”という自分に

「君は何を言ってるの?1番の親孝行は孫の顔を見せてあげる事だよ!」

~ ~ ~

そりゃ無理だぁ!!

一人で出来ないもの!!!

 

数日後、無事にBAR CLAYMOON2周年をさせて頂いたのですが

西宮で働いていた頃の懐かしい人が訪ねてくれました

50歳になったという自称幼女好きのNさんは

FBにて交わした約束通り

無理やり貰わされたNMB48の劇場版CDをプレゼントすると屈託なく喜んでくれました
(自分は“~48”的なヤツには何の興味もございません)

この50歳と39歳の独身コンビのやり取りを見ていた

これまた西宮時代にお世話になった47歳の美容師Uさんが口を開いた

「いやいや自分ら結婚はした方がえーで」
「はぁ」
「俺も昔は解らんかったけどや」
「はぁ」
「最近やっと結婚ちゅーもんが解った気がするねんけど・・・」

ん?真面目な話か?

 

Uさんは10年ぐらい前に大阪の自宅とは別に借りていた職場近くのマンションが

当時自分が働いていた店の近くでたまたま呑みに来てくれたのが縁で

仲良くさせて貰うようになったのですが

その時、既に既婚者であったにもかかわらずたまに彼女を連れて来てくれてました

時々手首に包帯を巻いていたその彼女の“激しさ”は半端ではなかったらしく

目の前でガラスは叩き割る、それを握りしめる、それで手首を切る…

ある日電話の向こうで発狂したように切れまくる彼女の話を聞きつつ

物に当たり散らし色々な破壊音を聞かされながら

こいつ部屋大丈夫やろか?とぼんやり考えながら怒りをやり過ごし

自分の部屋に帰ってみると破壊行為の現場はそこだったという

その彼女と別れたと聞いた後

しばらくして髪を切りに行った時には

“須藤くん、とうとうダブルスコア超えてもたわ。今度の彼女?歳やねん”

と少しだけ笑いながら言っていた基本的に物静かなUさんは

“結局結婚生活は経済力やで、生活費渡してたら平和なもんや”

と笑う事なく悟すように語っていたのだが

数年前“ギランバレー症候群”になり死にかけたらしい

8ヶ月もの入院生活

寝たきりのUさんを献身的に支えていた嫁はある日Uさんのお母さんの

“大変な思いさせてごめんなさいね”

というUさんの心の声の代弁に対してニコリともせずに言い切ったという

“いえ、嫁ですから”

 

“俺死にかけたやん、

その時嫁にはめっちゃ支えてもらって

何回もこいつは凄いなって思って

最近はちゃんと家に帰ってんねんけど

嫁がめっちゃ笑うんよ

付き合いだしてからで言ったら25年ぐらいかな

こいつこんな笑うんやなぁってなって

気がついたら俺も笑ってんねん

あぁ~結婚って言うのは2人で笑うって事なんやなぁって思ってや

1人で笑うのもいいかもしらんけど

2人で笑うっていいで

あっ須藤くんこれブログに書きーや!”

はい、ありがたく書かせて頂きました

すごく素敵な話やと思いました

 

さて、自分は1人で笑いたいのか

それとも2人で笑いたいのか・・・

正直まだ解りません

2人で笑いたくなったらもうちょい焦りだすのかもしれませんし

もう手遅れな可能性もありますしね(笑)

勿論間に合ううちに何かしらの親孝行はしときたい

ただまぁいずれにせよ相手のいる事ですし

現状相手のいない自分は深く考えてはおりません

ってより深くは考えれません

が・・・

40手前のこの多感になってる時期だからこそ

色々な人の色々な言葉が胸に響いた事

それだけは確かなようだ

 

2014 1 7 12:12

須藤 利浩